夏が終わる●

『5分間の冒険』という本を昔親戚のおじさんから貰って読んだ記憶があります。
よくある"選ばれた勇者"の少年の冒険お話ですが、この物語は一癖違っていて、誰もが"選ばれた勇者"で、怪物退治をさせられるのです。
"選ばれた"とは名ばかりで、凡人の少年少女を捨てゴマに使う卑怯な大人達の世界。
ラストはまさかの夢オチ(?)で、結局最後まで不確定な物語で…子供心にスッキリしない後味だったのを覚えています。
映画のドラえもんの夢幻三剣士とどこか似ています。凡才が勇気を振り絞る姿。
でも物語は、いつも都合の良い物語で。
終わらない物語は、決して都合の良くない、リアルなのかな。
そんなことを考えながら、脚本を書いています。奇跡なんかない、平凡な物語。