指先●


どこを見ても君がいて
なんだか気負いした
どうしてこんな単純なことに
今まで気づかなかったんだろう
言葉の持つ意味も弱々しく
光をすり減らしてきた
夕闇に溶けそうなその指先を僕に向けて
また逃げられてしまう
いつもいつの間にか消えていた



昨日よりも遠回り
でも実は近道
背の高さよりむしろ精神の問題
眼には今も映っていますか?
左も右もわからなかった僕を
落ち着かせてみせてくれたのも
勇気をくれたのも実は君



ああもうすぐ
夕闇に溶けそうだ指先