無題●



あの人の掌の中で消えていった命にも
今ボクがこうして見ている君の背中にも
同じく通っていた
目の覚めるような赤

腐敗の色は暗雲立ち込めて明日を呼ぶ
昨日までを忘れたフリして
その空の下のボク等の声だとかを
まったく無視して

あの人の掌に包まれていた命は
今こうして見ている君の背中には似ても似つかない
しかし直感の永遠は非なる日を
まったくの無視で進めて行く
目の覚めるような赤
あの赤……