記念日●

一枚の毛布をくるんで、友人とまどろんでいました
両手をつなぎ合って
こんなに恋人みたいなのに、心は遠いんだな、とか

本当に暖かくて
自分と人の体温を等しく感じたのは初めてで
涙が出そうになったけど、神様がそれを許してくれなかった

一時間くらい、そうしてうとうとしてたんだと思う
私はひたすらに寝ているふりをしてた
眠いのに、眠れなかった
体温を求め合うように、次第に距離が縮まっていった
いつの間にか顔が、目の前にあって
見つめ合う焦点が定まらないくらい
ふわ心地の夢の中、キスをした
不意の、任意の
そのあとにゆっくりと、教えるように、告白をされた
気持ちが言葉になる様は簡潔で、(この気持ちを簡潔な言葉にした偉大な昔の人がいて)それで伝わるのがすごいと思った

それからまた、一時間くらい暖めあって、近づいて降るようなキスをする
幸せになるって簡単なことね
この瞬間を幸せと言ってくれたことが、嬉しくて、申し訳なかった

唇の感触
私はまだ思い出してる
神様はまだ、私に一滴の涙も流させてくれません







具体的…?
今はこれが限界かも。
忘れないうちに、うたた寝日よりの日のことを。
顔を合わせるのが恥ずかしくなった。